⚫︎ 2024年7月14日 がくてつ機関車ひろばに保存されている機関車たち。
名鉄には一風変わった形の電気機関車が一時期運用されていました。ちょうどデキ600のような凸型と、デキ400のような箱型のハイブリッドのような、デキ501と言う機関車で、1940〜1969の29年間名鉄の貨物輸送に使用されました。
デキ501は上田電鉄の貨物輸送用デロ501として1928年に竣工し、小田急電鉄への貸出などを経て12年間同社で活躍。その後、1940年に名古屋鉄道に譲渡されました。
⚫︎2024年7月14日 岳南鉄道ED501。箱型と凸型のハイブリッドの様なデザインである。
名鉄では主に名古屋本線名古屋以東・常滑線・三河線・蒲郡線などにおいて貨物列車牽引運用に充当されました。名鉄では最強のパワーを持つ機関車でしたが、同社で保有する他の電気機関車の制動弁と操作性が大きく異なったためデキ500形は乗務員には不評だったようです。
⚫︎2024年7月14日 岳南富士岡駅全景。駅の北側に「ひろば」がある。
岳南鉄道が架線電圧を昇圧した際の機関車代替を目的として1969年にこのデキ501を名鉄より借入れ、翌年正式に譲渡を受けました。岳南鉄道ではED50形ED501となりブドウ色への塗装変更やパンタグラフの追加などが行われました。しかし車体ナンバーは名鉄在籍当時のローマン字体表記もそのまま運用され、廃車になった現在でも残されています。
⚫︎2024年7月14日 名鉄でお馴染みのローマン体ナンバーが残されている。
岳南鉄道譲渡後は、比奈駅の入換作業や岳南原田駅への区間貨物列車に従事していた。同社にて約45年間活躍した後、2015年に廃車となった。
廃車後は岳南富士岡駅構内の「がくてつ機関車ひろば」で静態保存されています。
私自身は、名鉄のデキは青い時代しか馴染みがありませんが、保存されているデキ501の外板の補強部を見ると、更新前の名鉄デキの当時を思い偲ぶことができるようでした。
⚫︎2024年7月14日 側面の外板が更新前の旧名鉄デキを窺わせる…
名鉄の旧デキがいるとのことで以前から訪問したいと思っていましたが、今回ようやくそれが叶いました。
運用を終えてしばらく経過しているため、野晒しでボロボロな状態も覚悟しましたが、全ての機関車は綺麗に保存されており夜間はライトアップも行っているようで、凄く大切にされていると感じました。
もし名鉄ファン、機関車ファンの方で三島・沼津に足を運ぶ機会があれば、是非訪ねてみてはいかがでしょうか。