●2008年1月7日 ゆとりを牽引する国鉄色2灯シールドビーム時代の19号機。
2022年4月26日、秋田車両センターにおいて遂に最後まで現役だったEF6019の解体が始まりました。
1986年に定期運用を離脱してから実に35年。唯一動態保存されていたEF60の19号機は国鉄・JR関係者有志により昭和から平成、令和へと引き継がれたことで多くのファンを惹きつけました。
●2006年4月2日 奥利根号に入った、やすらぎ色時代の19号機。雨のせいか撮影者は誰もいなかった…
私との出会いは2005年のEL&SL奥利根号。客車「やすらぎ」が廃車となった後も彼は一人ぼっちで未だに白いカラーを纏っていました。
中京地区から上京してきた私はこんな古い機関車が、しかもEF55やEF58、SLのサブ的な存在として活躍していることに驚きました。
この頃はもっぱら奥利根号で高崎⇄上野の運用についていたように思います。
●2015年11月14日 ホキを牽引する19号機。ライトが1灯となった。
てっきりイベント専用機かと思われていたEF60ですが、驚くべきは通常の保全業務にも現役で運用されていたこと。車体を汚してホキやチキを牽引する様はもはや往年の姿を思わせ、イベントでは見れない空気感や緊張感がありました。
● 2016年7月21日 高崎に現れた工臨。チ・チキ・チを牽くのは珍しい?
個人的には、働き始めてからは工臨の方が撮影機会が増えました。基本的に平休日問わず日中が仕事のため夜の方が動きやすく、熊谷の大御所○ットオフ氏とともに高崎・桐生・吹上を夜な夜な彷徨いました。
1986年に廃車となっていたら会えなかったであろう、EF60という存在。この19号機のお陰でその歴史の一部に繋がれたと言えます。1両1形式の彼が令和まで動く姿が見られたのは、関係者の並々ならぬ努力があってこそだと思います。
新製から丸60年、遂にその歴史に幕を閉じました。
【EF60 19の変遷】
1962年 新製
1986年 やすらぎ指定牽引機
1988年 アメリカントレイン指定牽引機
1989年 再度、やすらぎ指定牽引機
2007年 国鉄色へ
2010年 ヘッドライトが1灯式に
2019年 廃車となり秋田へ
2022年 解体