⚫︎2011年10月31日 日章旗を掲げるお召し編成。なにわ5両で運行された。
2011年10月に開催される「全国豊かな海づくり大会」に際して、天皇陛下がご乗車されるという特別列車の噂が出回った。
こんな噂が出ると、もう心ここに在らず。連日友人たちと情報戦と撮影地探索が始まる。当時関西に住んでいたE氏の力を借り、西日本への遠征計画を企て始めた8月。
前々日、仕事が終わった私は最終のぞみに飛び乗り、気がつくと新大阪に降り立っていた。地下鉄を乗り継ぎ関西支部、E氏邸で夜を明かした。
本番の天気予報が微妙なことから、明朝は曇りポイントの選定を行い確保しに行くこととなった。本番は雨は降らないでほしいところ…
実は晴れポイントは、数日前にE氏に現地視察にいっていただき確保済み。おかげで少し心の中には余裕があった。
翌日、傘がいるほどの雨模様。曇りポイントを抑えたあとは鳥取の車両基地に整備されている車両を見に行くことに。陸橋から基地内を見渡すと、ひときわ異彩を放つ組成済みの編成…
⚫︎2011年10月30日 車両区に佇むお召し編成。生憎の雨模様…
ピカピカに磨かれ、台座を据え付けた機関車および客車が紅白のコーンに囲まれて厳重な警備の中佇んでいる。
ほどなくして通行の障害になるからと警察に追い出されてしまったが、なんとか記録。
その後、泊〜松崎に展開していた名古屋の友人K嶋氏、cutoff氏と合流して夕食後、松崎駅で少しだけ夜遊び。 この日は鳥取駅前の満喫で夜を明かすことに。
…そして本番当日、午前五時前に状況開始。
まだ暗い空の雲量と、ケータイの天気予報を交互にみながら、あとは自分たちの勘…そしてついにポイントを決断。
現着し、さっそく構えてみると線路際に昨日はいなかった保線員が構図手前に。通過時にはいなくなると踏んでいましたが、どうやら様子がおかしい。 保線員は線路に背を向け絶対に動くなという指令がでているとのこと。 多少の構図変更を余儀なくされてしまった…
暫くして蛍光オレンジの帽子をかぶった私服警官部隊が続々と襲来し、「呉々も気を付けて」と釘を刺す。
通過一時間前にはヘリコプターも沿線上を飛び始め、嫌でも緊張が高まる。
そして…ついにそのときはやってきた。
綺麗に磨き上げられた車体、正面に日章旗をなびかせたその姿は鉄にとって最上級の憧れ。これを見れることは最高の喜び。
通過後、拍手と歓喜の声が沸き起こる。
久々に手が震えた。
⚫︎2011年10月31日 智頭急行線
撤収後すぐに土砂降りとなった。
智頭急行線を撮りながら帰路へつき、全ての行程は幕を閉じた。
今回が自身初、機関車牽引のお召し。
今度は快晴の中で取りたいと願うが、あれからもう12年が経過。機関車牽引のお召しを撮影するチャンスは訪れていない…