1937年に登場した3400系、通称「いもむし」。
元祖名古屋鉄道の東西直通のシンボルとして、当時流行だった流線形を取り入れた車両でした。動態保存を経て、2002年8月に惜しまれつつ引退しました。
その経歴を読み解くと、名鉄においては最も愛された車両であることが伝わってきます。
もともとの車体番号は3403-2403でしたが、1988年の動態保存工事をきっかけに改番されたことは有名です。
調べてみると、改番に際して取り付けた車体ナンバーの「1」は、もう一つの流線形車両である、名鉄850形「なまず」の廃車発生品ということで、何かと名鉄史に所縁の深い車両です。
晩年においてはエバーグリーン賞を受賞した事をキッカケに車体もリバイバルカラーが施され、車内のモケットも青へ変更。冷房化に際しては外観を考慮し、床下に本体が、網棚の片隅に室内機が設置されました。
私自身は、2002年8月に広見線、各務原線で行われたさよなら運転が最初で最後の撮影チャンスとなりました。
その際、なんと各務原線の急行運用をこなしたのには驚きました。名鉄さんの粋な計らいでしょうか。
現在は3401号車のみ舞木検車区にて静態保存されています。
【車両沿革】
1937年 2両編成3本が登場 (3401F〜3403F)
1950年 3450形を組み込み、3両編成に
1953年 2450形を組み込み、4両編成に
1967年 重整備開始、ストロークリーム色へ
1976年 スカーレット一色へ
1988年 3403-2403を除き廃車。3401-2401に改番し動態保存化
1995年 定期運用離脱
2002年 さよなら運転、運行終了
2006年 ク2401廃車回送
現在、3401が舞木検車場構内にて静態保存