●2019年4月20日 善光寺平を望む絶景のポイントを行くDD16。やはり2エンドは正義…
まだJR東日本のチキ工臨が残っている頃、新小岩から野辺山や飯山への定尺チキの発送があるとソワソワ。そう、年に2回ほどあるDD16-11の運用、チビロク工臨がみられるからである。
DD16の特徴はなんと言ってもその小ささ。軌道構造の弱い支線専用機関車のため、車体が極端に短い。可愛らしく人気が高いが、車両数や運用の少なさが希少価値を上げていた。当時、JR東日本管内では11号機が唯一の稼働車であった。
この工臨自体、基本的に平日のためなかなか出向くことは難しかったが、この日は土曜日で長野まで返空があるとのこと。
前日からGPVと睨めっこし、午前の千葉での仕事を早々に切り上げて新幹線に飛び乗って一路長野へ。狙うは篠ノ井線、姥捨の大俯瞰。
このポイントは架線下のディーゼル車と言う残念さはあるが、日本3代車窓と言うだけあり、背景には残雪が残る山々、眼下には善光寺平を望む。4月とはいえまだ寒さの残る姥捨であるが、桜もチラホラ咲いており、なかなかのロケーションである。構図を組みつつ、広島からやってきたと言う方と談笑。チビロクの人気の高さが伺える。やがて汽笛が聞こえ、嫌でも緊張感が高まる。息を呑み、じっとその時を待つ。
ファインダーに現れた赤い被写体に、一斉にシャッター音が鳴り響く。 短いジョイント音を残してあっという間に過ぎ去るチビロク。
これが、私に取って最後の迎合となった。
残念ながらDD16-11は、2021年10月をもって運用を終え、現在は長野車両センターで留置。今後の処遇が気になるところです。