東海道本線の夏の朝は早い。
日の出が早くなる時期の朝連、銀河・出雲・サンライズの三大ブルトレは東京近郊を6時台に続けてやって来る。中でも、出雲は田町PFに赤のヘッドマークを掲げ堂々と上京する。
東海地区では日の出前に通過するこれらを、関東では毎朝撮れるのは羨ましかった。 まだ上京したばかりの自分にはPFブルトレ自体に馴染みがなく、憧れの存在だった。
やってきたのは定番撮影地、川崎からほど近い矢向踏切。土曜日だというのにポイントには同業者は誰もいなかった。最初に通過する銀河を押さえた後、いよいよ本命!
やがて遠くからでもわかる赤いマークに、EF65のライトが見えた。緊張しながらシャッターを切る。
数年後、そんな魅力ある機関車牽引のブルトレも次々と廃止。東海道本線に残る夜行列車はサンライズのみになってしまった。