●2003年11月30日 この日を以って休止(廃止)となった岐阜駅前の電停。
かつて岐阜駅前に存在した岐阜市内線の駅(正式には電停)、「岐阜駅前」。
主要駅最寄りの割には1面1線の小さな電停でしたが、市内線の他の電停が道の真ん中に緑に塗られただけの安全地帯のみに対して、同駅は唯一嵩上げしたホームが設けてありました。
さらに、JR岐阜駅の地下道から階段で上がることが出来て、利用者にとっては1番安全な駅でした。
●2003年11月30日 多くの列車は新岐阜駅前で折り返し、岐阜駅前まで来るのは少なかった。
起点であり終点であるこの電停ですが、岐阜駅前まで来る列車は少なく、ダイヤの都合などで一つ手前の新岐阜駅前で折り返しとなることもしばしば。
電停の案内板には「交通渋滞等により、電車が新岐阜駅前で折り返し運転することがありますので御了承下さい。お急ぎの方は新岐阜駅前までお越しください。線路沿い徒歩5分」と書かれていました。
●2003年11月29日 岐阜駅前を行く、モ510形喜寿イベントの臨時列車。
そんな電停もJR岐阜駅前の県道54号の整備のため、新岐阜駅前駅 〜岐阜駅前駅間は2003年12月1日から2005年3月31日まで運行休止となりました。
結局、休止解除となる2005年4月1日に岐阜市内線を含む名鉄600V区間は廃線となったことで、事実上一足先に廃駅となりました。
●2003年11月29日 トランジットモール実験で設置された仮設の電停 (新岐阜駅前)。
少し話は逸れますが、同時期の話題として…
岐阜駅前の休止前に岐阜市内線はトランジットモール実験が行われていました。各電停に仮設のホームが設けられ、2003年10月14日〜11月29日まで存在しました。結果は利用者増加は見込めないことから、600V区間は廃線の道を辿ることとなりました。
さらにモ510形のデビュー77周年記念として、土日祝を中心に臨時列車が設定されていたため、岐阜駅前の休止間際には多くのファンで賑わいました。
●2021年2月27日 岐阜駅前に戻ってきたモ513。電停があった位置とは異なる場所に設置された。
…そして、休止から16年後の2019年11月。JR岐阜駅北口広場の完成10周年記念イベントの一環として、それまでこがね公園に保存されていたモ513号がJR岐阜駅北口広場に移設されました。移設場所は、当時電停があった場所よりもかなり名鉄岐阜駅寄りの位置となりました。
JR岐阜駅周辺も当時と大きく変わりましたが、当時見ていた路面電車が、未だ現役時代のような姿で見られるのは嬉しいことです。